卒業式のシーズンがやってきました。「仰げば尊し」を歌う学校は今でも多いのでしょうか?

仰げば尊しの「今こそわかれめ」とはなんのこと?

華原さんは数ヶ月までは努力が苦手で、すぐに笑ってしまう体質(?)でした。しかし、中学生時代はそうではなかったのです。

今から4年半前のある出来事(華原さん曰く「黒歴史」)により、彼女は変わってしまったのです。

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華原さんたちの合唱部は「全国中学生合唱コンクール」に出場するため、東京都の合唱コンクールに出場しました。

もう少しで自分たちの番………というところで、北条さんが華原さんに話しかけました。

「出番が近づいてきましたね、先輩。」

「ええ、緊張するわね。」

「入賞できるといいですね。ここが私たちの人生の分かれ目になるかもしれません。」

「ちょっと大袈裟じゃない?」

「そんなことないですよ。大事な時です。」

「そっか、がんばらなきゃね。」

「私、『仰げば尊し』が好きなんですよね。」

「そう…」

「『今こそ、分かれ目~』っていう歌詞があるじゃないですか。ここぞという時はあれを思いだして気合いを入れているんですよ!」

「ぷっ」

「どうかしましたか、先輩?」

「な、何でもないわよ。」

「そう言えば、今日歌う歌のサビにもありますよね、『分かれ目』って。」

「く…」

「大丈夫ですか、先輩?お腹が痛いんですか?」

「だ、大丈夫よ。」

「そうですか…」

華原さんは何とか集中力を高めて合唱に望みました。

部の歌唱力は高く、審査員の評価は途中まで上々でした。

しかし、サビの部分に差し掛かったところで…

「ぷっ、くっ、はっ、ははははは!」

「………」

華原さんが思い出し笑いをしてしまい、入賞を逃しました。

それ以来、華原さんは歌うのがあまり好きでなくなり、笑いやすくなってしまったのでした。

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今こそ分かれ目?

「仰げば尊し」の歌詞にある「今こそわかれめ」を「今こそ分かれ目」だと誤解している人は少なくないでしょう。

私も小学生時代は「分かれ目」だと思って歌っていました。中学生の時に先生にちょろっと教えてもらったのを覚えています。

歌の内容から考えれば「分かれ」ではなく「別れ」のはずですが、「目」があるので「分かれ目」だと思ってしまったのでしょうね。

「別れめ」の「め」は「目」ではなく、意志の助動詞「む」の已然形です。

現代ではほぼ使うことがないと思いますが、「別れむ」で「別れよう」という意味になります。

そして、「今こそ」の「こそ」の係り結び(こそ~已然形の形)になったのが「今こそ別れめ」で、「今こそ別れよう」という意味です。

これから卒業式で歌う方はそのことを意識して歌いましょう。くどいようですが、「分かれ目」じゃありませんからね。

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