汚名挽回は誤用の定番です。誤用ではないとする考え方もあるそうですが…

汚名挽回は名誉挽回と同じ意味?

春の選抜高等学校野球大会が始まりました。広島の西條高校は今日が1回戦です。

工藤君は好調ですが、清田君は…

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1回裏、チャンスで4番の清田君に打席が回りましたが、最悪の併殺打に終わりました。

「くそ!」

「清田、今のは明らかなボール球だ!スカウトが見てるからって張り切りすぎるな!」

「ふん、たまたまだ。次、次!」

「………」

しかし、その後の打席も凡退を続け、先制点を奪えません。

「………」

「何で打てないか分かるか、清田。」

「え?」

「お前は元々チームのためにバットを振っていたんだ。だがプロに注目されるに連れ、自分のために振るようになった。」

「………」

「お前のその自己顕示欲が、バッティングの精度を下げているんだよ。お前の力はこんなもんじゃないはずだぞ!」

「………」

工藤君は9回まで無失点に抑えましたが、疲れているのは明らかでした。このままでは…

そしてその裏、ツーアウト2塁の場面で4番の清田君に回ってきましたが、監督は代打を告げようとしました。

「何故ですか?監督!」

「わかるだろ。今日のお前じゃダメだ。」

「待って下さい、このままじゃ俺は自分を許せない!どうか、汚名挽回のチャンスを!」

「本気か?」

「はい!」

「そりゃ困る!小関、頼むぞ!」

「え?何で?」

「監督!俺からもお願いします。もう一度だけ、名誉挽回のチャンスを!」

「!」

「分かった、お前が言うなら…」

「………」

清田君は期待に応えてツーベースヒットを放ち、チームはサヨナラ勝ちを収めました。

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汚名挽回は誤用?誤用ではない?

「挽回」とは、「(失ったものを)元へ戻す・取り返す」という意味です。

よって、目的語は「勢力、名誉」等の「取り返したいもの」になるはずです。

「汚名(不名誉な噂・悪評)」を取り返すのはおかしいので、「汚名挽回」が誤用なのは明らかです。

数年前から「汚名挽回は汚名の状態を元へ戻すと解釈できるので誤用ではない」とする考え方が目立ち始めましたが、いくら何でも強引すぎる解釈です。

「疲労回復」がその根拠のようですが、「疲労回復」自体が誤用だと思います。

「ストレス回復」って言いますか?言いませんよね?「疲労解消」等と言うべきではないでしょうか?

では、「怪我を治す」はどうなのか?私はこれも(本当は)誤用だと思っています。

しかし、「誤用」=「使ってはいけない」とはなりません。

「怪我を治す」を正しく言うのなら「怪我をした所を治す」等になると思いますが、言いにくいですよね?「病気」ならなおさらです。

であれば、日本語としておかしかろうが「怪我を治す・病気を治す」と言った方が良いのです。慣用表現ですよ。

「汚名挽回」の場合は「名誉挽回」、「汚名を雪(すす)ぐ」という言葉があるので、わざわざ誤用である「汚名挽回」を使う(慣用する)理由がないのです。

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