野手がファインプレーで不安定な投手を勇気づけることを「もり立てる」と言いますが、それは正しいのでしょうか?

盛り立てるとは盛り上げること?

西條高校は本来の力を取り戻した清田君の活躍で2回戦も突破。今日が3回戦です。

しかし今日は、これまで好投してきた工藤君の調子がよくありません。2回までは無失点で切り抜けましたが…

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「(今日はストレートも変化球もイマイチだな。でも、清田の調子がいいから何とかなるか…)」

「チェンジですよ、先輩。」

「あ、ああ。」

「………」

3回の工藤君は大乱調。ヒットとフォアボールでノーアウト満塁のピンチを迎えてしまいました。相手は4番です。

「ここは何としても抑えなければ………あ!」

キン!

決め球のチェンジアップが高めに浮き、芯で捉えられました。

「しまった!」

しかし、これを清田君が横っ飛びでキャッチ!失点を免れました。

「ふう、助かった。ありがとう、清田。」

「何をやっているんですか?らしくないですね。」

「え?」

「調子が悪かろうが抑えるのがエースでしょ!先輩の力なら大丈夫ですよ。」

「清田…」

「仮に打たれても今みたいに俺らが守るから安心してくださいよ。」

「成長したな、清田。」

「別に先輩のためじゃないですよ。チームのためです。」

「そうだな。」

工藤君は徐々に調子を上げ、1点こそ失いましたが、清田君の活躍もあり見事に3回戦も突破しました。

試合後、工藤君はスマホでスポーツニュースをチェック。

清田君のファインプレーが工藤君を勇気づけたという記事が多く、改めて今日の勝利を嬉しく思いました。

「チームスポーツって良いよな…」

そう思っていた工藤君ですが、「西京スポーツ」の「清田、好捕でエースをり立てる!」という見出しを見て残念な気持ちになりました。

「何だろう、良い思い出が汚されたような気分だ…」

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もり立てるの正しい意味と漢字は?

野球中継を見ていると「もり立てる」という言葉をよく聞きます。場面は冒頭で書いたとおりです。

注意して欲しいのは、その漢字は「盛り立てる」ではなく「守り立てる」であるということです。

意味は「大事に養育する・援助して力を発揮させる・衰えた物事を再興する」です。

簡単に言うと「守り、育てる。」なわけで、「ムードを盛り上げる」ではないのです。

しかし、野球中継での「もり立てる」は「盛り上げる」という意味合いで使われている気がしますね(誤用です)。

守備で良い流れを持ってきて、勇気づけたり調子が上がるのを待ったりしているという意味で使っているのならいいと思います。

しかし、「盛り立てる」と書くのは間違いなので気を付けましょう(漫画でよく見かけます)。

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