不満があったら出来るだけ晴らしたいですよね。そう、溜飲を晴らして………あれ?下げるでしたっけ?

溜飲を下げる?溜飲を晴らす?

涼子さんにSCAMコーポレーションを紹介してもらった綾花さんは、早速オフの日を利用してその事務所を訪れました。

所長の葉山さんは大歓迎です。

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「ごめん下さい。」

「はいはい、どちら様………あれ?ひょっとしてあなたは?」

「BBG18の綾花です。」

「ですよね?ウチに何の御用でしょうか?」

「こちらの芸能事務所に興味がありまして…」

「本当ですか?でもBBGの人気アイドルである綾花さんが何故?」

「………」

「まあ、事情については追々お聞きしますね。とりあえず、この事務所についてご説明致します。」

「はい。」

「ウチはまだ立ち上げたばかりで、アイドル志望の子を募集している最中なんですよ。」

「はい。」

「綾花さんは例外としても、いきなりアイドルとしてデビューするのは無理なので、ウチで研修を受けていただきます。」

「研修ですか。」

「ええ、ウチは養成所を兼ねているので。」

「そうなんですか。」

「入所金として20万円。月謝が2万円です。」

「結構かかるんですね。」

「本気でアイドルを目指す人を募集していますから、少々高めに設定しています。」

「………」

「でも、アイドルとして成功すれば、すぐに元はとれますよ。」

「そうですね。」

「今考えているのは『夕焼け坂16』というアイドルグループです。」

「16?」

「はい、『BBGより少ない人数でも勝ってみせる!』という意味があります。」

「勝つ…」

「綾花さんにはそのリーダーになってもらいたいですね。」

「私がですか?」

「ええ。大変なので無理にとは言いませんが…」

「私、やってみます。先輩の指導に不満があってここに来たんですから。」

「なるほど。」

「私の方が上だということを証明して溜飲を晴らしたいんです。」

「………素晴らしい。期待していますよ、綾花さん(「下げたい」だと思うけどね)。」

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正しい慣用句とその意味は?

「溜飲」とは「飲食物が消化せず、胃に留まって酸敗(食べ物が腐ってきて酸っぱくなること)したために出る、酸っぱい液。」のことです。

溜飲が(たまって)喉に上がってくると凄く気持ちが悪いわけです。これが下がればスッキリしますよね?

それで、「不平、不満等が解消されて気持ちが晴れる。」ことを「溜飲が下がる(晴らすなら「溜飲を下げる」)」と言います。

これを勘違いして「溜飲を晴らす」と言ってしまう方が結構多いのです。

文化庁が発表した平成19年度の「国語に関する世論調査」によると、4人に1人が使っていたそうです。

何となく意味は通じますが、「晴らす」のはやはり「心の中のネガティブな感情」ですよね?

溜飲はあくまで「液体」ですので、「晴らす」のではなく、「下げる」ものなのです。

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