日本人は「邁進する」という言葉が大好きですね。でも、その意味をちょっと立ち止まって考えてみませんか?

邁進するとは努力するということ?

先週、ゲミックスからデモンズウェーブ4が発売されました。人気も売れ行きも好調で、浜田課長も赤城さんも満足………していました。

この日、ゲーム開発課に一本の電話がかかってきました。社員がその内容を浜田課長に告げると…

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「何!本当か?」

「………」

「赤城君、どうやらバグがあったそうだ。」

「え?バグですか?」

「『悪魔の爪』を装備して『ファントムクラッシュ』を使うと、本来は当たらないはずの悪魔化した人間を攻撃できてしまうという内容だ。」

「………」

「倒すと何故か莫大な経験値が手に入るから、意図的にやっているユーザーがいるらしい。ゲームバランスの崩壊と倫理的な観点で問題があるな。」

「それは物理攻撃が通用しないタイプの敵を倒すための攻撃方法なんですよ。まさか、そんなことになるなんて。」

「………」

赤城さんはすぐにプログラムを確認しました。どうやら自分のミスだったようです。

「くそ、僕としたことが。なんてことだ。」

「赤城君。」

「は、はい。」

「そのゲームは絶版だ!」

「ひ、ひい!」

「………冗談だよ。そんなに驚かなくてもいいだろう。」

「あ、冗談ですか。良かった…」

「………早急なアップデートで対応しよう。今後は気を付けてくれよ。」

「はい。今後は同様のことが起こらぬよう、今まで以上にデバッグ作業に邁進いたします。」

「いや、邁進されては困るんだが。」

「え?」

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邁進の意味は?

「邁進」とは「力強くどしどし進む・恐れることなく突き進む」という意味です。

主に「仕事に邁進する」等のように、「がんばる・努力する」をちょっと大人っぽく表現するために使われています。

前向きで良い言葉だとは思いますが、万能かというと、「そんなことはないだろう」と思います。

「邁進」の意味はあくまで「突き進む」ですので、「がんばる・努力する」と置き換えられるわけではありません。

よって、何でもかんでも「邁進します」と言えば良いということにはならないでしょう。

最もピッタリなのは「実験・研究・挑戦」等です。実験に失敗はつきものなので、落ち込んでないで前へ進めということです。

逆に合わないのは精度を求められる業務です。「検査・手術・校閲」等がそうです(手術に邁進するとか怖すぎです)。

「邁進」に「荒い」とか「雑」とかいう意味があるわけではありません。しかし、失敗を恐れないので「精度が高い」とは思えません。

また、「学問に邁進する」という用例をよく見かけますが、正しい使い方か少し疑問です。精進(一心に務め、励む。)なら分かりますが。

少なくとも、ミスを犯して仲間に多大な迷惑をかけた人が再起を誓う時に使う言葉としては不適切だと思います。

追記(10月16日)

色々書きましたが、現在主に使われている「邁進」は誤用ではないでしょうか?

おそらく、最初に使った人は「恐れることなく突き進む」と言いたかったのでしょう。

それを聞いた(邁進の意味を知らない)人たちが「精進」の類義語だと勘違いして今に至る…

推測に過ぎませんが、強ち間違っていないと思います(日本語ではよくあることですので)。

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