今日はいつもに増して道が込んでいましたね。あれ?いつにも増してでしたっけ?

いつもに増して?いつにも増して?

先月から黒華で働いている水原さん。今週はゴールデンウィークということでお客さんが多く、大変です。

八神さんはそんな水原さんに気を遣ってくれましたが…

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「いらっしゃいませ、こんにちは。」

「こちらはゴールデンウィークセールでお求めになりやすい価格となっています。」

「はい、今週はポイントが5倍になります。」

水原さんはエルドリックでのアルバイトで接客には慣れていました。

しかし、今は正社員。まだ経験も浅いので毎日神経を使っています。特に今日は…

「大丈夫かい、水原さん。」

「はい、大丈夫です。」

「本当に?だいぶ疲れているように見えるけど?」

「そうですね、今日はちょっとお客さんが多いんで大変です。」

「ああ、毎年この時季は大変なんだ。特売品が多いからいつもに増してお客さんが来るんだよ。」

「いつもに増して…」

「ん?」

「いえ、何でもありません。」

「気になるなぁ。言ってよ。」

「でも、今は…」

「早く。気になることがあると仕事に集中できないんだよ。」

「は、はい。『いつにも増して』じゃないかなと思っただけなんですが…」

「………おっと、レジに列ができてるな。頼むよ。」

「あ、はい。」

水原さんはレジに向かいました。

しかし、背後から「くそっ」という声が聞こえ、立ち止まりました。

「何してるの?早く!」

「はい、すみません。」

八神さんの声が、いつにも増して大きいと感じた水原さんでした。

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正しい言い方は?

「普段よりも程度が甚だしい」ことを「いつにも増して」と表現します。「いつ+にも+増して」です。

「いつ」とは「いつも」のことです。ですから「いつもにも増して」と言うこともできます。ちょっと頭が○そうですけど。

「に」は「いつ」と「増して」の意味関係を示す格助詞。「も」は「に」を強調する係助詞です(なくても意味は通る)。

よく言い間違えられている「いつもに増して」だと「いつも+に+増して」です。

「いつも」を「いつ」に置き換えると「いつに増して」となりますね。

「いつにも増して」との違いは「強調」の「も」だけですので、厳密に言えば「いつもに増して」でも間違いではないです。

ただ、「いつにも増して」と表現する目的は「強調すること」ですので、「いつもに増して」では弱いのです。

「いつにも増して」の「も」が「強調」なのに対して、「いつもに増して」の「も」は「おまけ」というわけです。

「いつもに増して」でも間違いではないのですが、適切なのは「いつにも増して」なのです。

色々書いてしまいましたが、「いつにも増して」だけ覚えておけば十分だと思います。

ちなみに「道が混む」は本来誤り。「混」は「こ」とは読まず、意味は「混ざる」だからです。

正しくは冒頭の通り「込む」ですので、ついでに覚えておきましょう。

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