「苦し紛れの策」のことを「苦肉の策」と言いますが、本来の意味をご存じでしょうか?

苦肉の策とは苦し紛れの策?

中村さんは自分よりも野球の方に興味がある藤井君に不満を募らせていました。

一方、青木君は水原さんに気に入られる為に無駄な努力を重ねていました。峯岸君は心配半分、面白半分です。

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「よし、準備OK。」

「なんだよ、それは。」

「クマのぬいぐるみだ。」

「見れば分かるよ。どうしたの?」

「ゲームセンターで取ってきた。水原さんにクマのぬいぐるみを集める趣味があることがわかったんでね。苦労したよ。」

「どうやって知ったんだ?」

「無駄にエルドリックに通い続けちゃいないよ。他の店員との雑談に聞き耳を立てたのさ。」

「………(引いた)」

「バイトの時間も把握している。偶然ぬいぐるみをゲットしてきて、偶然店の外で会ったように見せかける。そしてさり気なくプレゼントだ。」

「よくやるよ。」

「苦肉の策だけどね。」

「それが『苦し紛れの策』に当たるのかどうかは微妙だな。ちなみに苦肉の策の本来の意味って知ってるか?」

「おっと、そろそろ行かなきゃ。じゃあまたな。」

「ああ。」

心配になった峯岸君はこっそり後をつけました。そして青木君の狙い通り、水原さんが店から出てきました。

「水原さん!」

「! 危ない!」

「?」

ドン!

信号を無視して猛スピードで突っ込んできた自転車にぶつかってしまいました。

「大丈夫?」

大丈夫ではありませんでしたが、青木君は少し嬉しそうでした。峯岸君は急いで救急車を呼びました。

「………本当に苦肉の策になっちまったか。」

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苦肉の策の由来と本来の意味は?

「苦肉の策」は「三国志」に由来します。

「黄蓋」という男が敵を欺くため、味方に自分を傷つけさせたのです。不和を演じ、自分が寝返るように見せかけたこの策のことを「苦肉の策」と言うようになりました。

本来は「自分を傷つけてまで相手を欺く策」という意味だったのです。

「肉」は体のことで、「苦」は「苦しめる」の意味だったわけですね。

しかし、いつのまにか「苦」が「苦しい」の意味だと誤解されるようになり、「苦し紛れの策」という意味に変わってしまいました。

傷など全く負わないのに「苦肉の策だが…」と言うのは本来誤用なのですが、完全に定着してしまっているので受け入れる他ありません。

それはさておき、「肉」はどこへ消えたのでしょうか?人は都合の悪いことは忘れる生き物だということがよくわかりますね。

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