アナウンサーが「開会式に先駆けて行われた○○」と言うのをたまに聞きますが、それは正しい言い方でしょうか?

開会式に先駆けて?先立って?

今日はプロ野球のオールスターゲームが行われました。

スポーツニュースでプロ野球コーナーを担当している河野さんは大はしゃぎですが、村上さんは今日も心配しています。

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「いやあ、凄かったですね。」

「そうだね。」

「凄いのは知っていましたけど、まさかあそこまでとは。」

「それは言いすぎじゃないかな?なんとか無失点に押さえてたけど、今日は調子が悪かったよ。」

「誰の話ですか?」

「誰って谷口投手のことじゃ…」

「違いますよ。香月さんですよ。サイクルヒットを達成した。」

「あ、ああ、香月選手ね。」

「村上さんは私のことを誤解していませんか?」

「悪かった、申し訳ない(そうだよな、河野さんだって成長して…)」

「ああ、どっちにしようかなぁ。」

「(…いないようだな。どちらからも相手にされないと思うけど。)」

「ホームラン競争でも優勝しましたし、気合いが入っていましたね。」

「うん、そうだね(気合いというよりは怒りに見えたけどな)。でも、香月選手ばかり称えるようなことは…」

「大丈夫ですよ。もう実証済みじゃないですか。」

「そうだったね。じゃあ、今日も期待してるよ。」

「お任せ下さい。」

そして、プロ野球コーナーの時間となりました。

「みなさん、こんばんは。今日はプロ野球のオールスターゲームが行われました。」

「試合に先駆けて行われたホームラン競争では元浜グレイトホーネッツの香月選手が…」

村上さんはそれを聞いて肩を落としました。

先立ってだろ……気付く視聴者が少なければいいけど…」

あの時ほどではありませんでしたが、視聴者からの鋭い突っ込みが何件かありました。

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先駆けの正しい意味は?

日本人は「先駆けて」という言葉が大好きなようですが、意味を知らずに使うと恥ずかしい目に遭うかもしれません。

「先駆け(る)」とは「真っ先(に敵中に攻め入る・に事を始める)」という意味です。

よって、「○○に先駆けて」の「○○」には先駆けるものと同格で複数のものが入ります。例えば、

「他の者に先駆けて演技をした。」

「他社に先駆けて完全自動運転車を開発した。」等です。

要するに「そのものの中で一番初め」という意味で、特定の何かとの比較ではありません。

これを「○○の前に」という意味だと思って「開会式に先駆けて・この会談に先駆けて」等と言うアナウンサーが多いのですが、正しくは「先立って」です。

「先立つ」には「先頭に立つ。○○の前に起こる。先に氏ぬ。真っ先に必要である。」という意味があります。

また、「先立つ」の読みは「さきだつ」なので気を付けて下さい。

「せんだつ」だと「先達(その道の先輩)」、「先達って(先日)」となってしまいます。

ややこしいですが、「先駆け(る)」と「先立つ」の意味の違いは押さえておきましょう。

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