試みたことが上手くいくと気分がいいですよね。奏を功すると…あれ?功を奏するでしたっけ?

奏を功する?功を奏する?

夏の高校野球の地区予選が始まりました。東戸倉高校は今日が初戦です。

先発は七瀬監督の息子の勇毅君。エースの渡辺君は「いつでも行ける」と言っていますが…

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「よし、悪くない立ち上がりだ。」

「思っていたとおり、少し硬いですね。」

「お前に頼っていた部分が大きいからな。」

「俺はいつでも行けますよ。」

「いや、今日は大丈夫だ。」

「え?完投を考えているんですか?」

「ああ。」

「無理はさせない方が良いと思いますよ、球数と汗の量を見て…」

「心配するな、あいつなら大丈夫だ。」

「………だといいですね。」

試合は東戸倉高校のペースで進んでいましたが、6回に連打を浴びてリードを縮められてしまいました。

「渡辺、行けるな。」

「はい(やっぱりこうなるよなぁ)」

「このピンチ、お前に託したぞ。」

「………お任せ下さい(託すな!この馬鹿監!)」

リリーフした渡辺君は後続を打ち取り、ピンチを切り抜けました。その後も危なげないピッチングを披露し、初戦突破を果たしました。

「ふふふ…」

「どうしました、監督?」

「見事だろ。」

「勇毅君ですか?まあ、よくがんばったんじゃないですか?」

「違う、俺の采配だ。」

「え?」

「無理に引っ張らないで早めの継投をしたのが奏を功したな!」

「………(監督も早めに代えた方が良いかもしれないな。)」

東戸倉高校はその後も勝ち続け、甲子園への切符を手にしました。

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正しい方とその意味は?

「効果をあらわす。成功する。」ことを「功を奏する」と言います。

「功」には「立派な仕事、手柄。効用、利益」という意味が、「奏する」には「音楽を奏でる。成し遂げる。」という意味があるのです。

「功を奏する」を「奏を功する」と言い間違える方がいらっしゃいますが、大丈夫です。同様の方は結構多いと思いますから。

「功」と「奏」は音が似ていますし、「奏功(良い結果を生む)」という言葉があるので、紛らわしいですよね。

しかも、「奏効(効き目があらわれる)」という言葉もあるので更に紛らわしい(「を奏する」はありません)。

「託す」は「頼み預ける」という意味です。託すのは「大切(大事)にしたい何か」のはずなので、「ピンチを託す」は誤用です。

ちなみに「託す」には「かこつける。口実にする。」という意味もあります。ついでに覚え………なくてもいいかな。誰も使わないし。

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