「首位に肉薄した」等とよく言いますが、「肉」って何のことでしょうか?

肉薄とは僅差に迫ること?

中学2年生の直人君は勉強好きで、最近は特に成績が上がっています。

そんな孫の姿を見たおじいさんは…

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「だいぶ良くなってきたけど、まだ数学が…」

「おーい、直人や。」

「ん?何、おじいちゃん?」

「今日も勉強か?」

「そうだよ。次のテストに備えてね。」

「そんなにがんばらなくても良いんじゃないのか?」

「いやあ、ここまで来るとそうもいかないよ。」

「ここまで?」

「学年1位の友達がいるんだけど、どんどん差が詰まってきているんだ。」

「ほう、それは凄いな。」

「前回のテストでは、ついに彼に肉薄したんだよ。」

「何?本当か?」

「うん、凄いでしょ。」

「だめだろ、そんなことしちゃ!」

「え?」

「友達とは仲良くしなくちゃいけないぞ。」

「う、うん(何を言ってるんだろう?)」

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肉薄の本来の意味と漢字は?

「肉薄」の「肉」は人間の「体」を意味しています。

「薄」は「迫る」という意味で、このことから「肉迫」と書かれることもありますが、厳密には間違いです。

「肉薄」の本来の意味は「をもって相手の間近に攻め寄る。鋭く問い詰める。」です。

また、昔の辞書には載っていませんが、「競争等で(1位の)相手に接触するほど迫る」という意味もあるそうです。

現在では専ら「成績や順位の差が極僅かな所まで詰まる」という意味で使われていますが、恐らく上記の意味が拡大解釈されたのでしょう。

本来は「敵陣に肉薄する」等のように使う、ちょっと格好良い言葉でしたが、その意味はほぼれてしまいましたね。

単なる「数字上の接近」では「肉」の立場がありません。体が近づいてこその「肉薄」なのです。

苦肉の策と同様、「肉」は無視されやすい漢字なのでしょうか?ちょっと可哀想です。

日常生活では敵陣に突入するようなことはありませんし、「鋭く問い詰める」意味で使われることも少ないので、別にいいんですけどね。

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