「役不足」は仕事やスポーツでよく使われる言葉ですが、正しい意味をご存じでしょうか?

役不足とは力不足のこと?

大手ゲーム会社「ゲミックス」に務める赤城さんは入社2年目。仕事を覚えるのが早く、ツールも的確に使いこなせます。

ある日、浜田課長から思いもよらない提案を持ちかけられました。

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「赤城君。そろそろ我が社の看板ゲーム『デモンズウェーブ』の続編を作る予定なんだが」

「デモンズウェーブの続編ですか?それは楽しみですね。今回はどんなゲームになるのでしょうか?」

「それはまだわからないなぁ。ただ、今作は君にも参加してもらいたいんだ。デバッガーとしてだが。」

「えっ………」

「どうした?」

「いや、ちょっと役不足なんじゃないかなと思って。」

「そんなことはないと思うけどなぁ。」

しかし、赤城さんはその役に難色を示していました。

「わかった、もう少し考えてみるよ。とりあえず仕事を続けてくれ。」

「申し訳ありません」

そして後日…

「赤城君、この間の話だけど…」

「はい、どうなりましたか。」

「プランナーを任せることにするよ。」

「? 何で私がそんな大役を?」

「だって役不足だって言っていたじゃないか。流石優秀な社員は違うよね。」

「いや、私では力不足だと言いたか…」

「え?何だって?」

「あ、いや、何でもありません…」

「最近はマンネリ気味だから斬新さが欲しいなぁ。期待してるよ。」

「………」

赤城さんはその日のうちに課長に謝りました。

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役不足の正しい意味は?

「水不足、力不足、人手不足」等を例にすれば分かりやすいと思いますが、これらの「不足」の前に入る助詞は「が」ですよね。

役不足も同様で、「その人にとって役不足」というのが正しい意味です。

役というのは主に仕事や任務で、これが不足しているということは、任された仕事がその人には「軽い」ということになります。

しかし、「その人では役不足(力不足)」という意味で使われることが多いのです。

役不足は誤用の中でもかなり有名な(知られている)部類に入るのですが、それでも間違って使っている人は少なくありません。

やっかいなのは、お互いに意味を知っていなければ言いたいことが伝わらないという点です。

正しい意味を知っていて、褒め言葉(君にとっては楽な仕事だ)として使ったとしても、相手が知らなければ「馬鹿にされた」と思われてしまうでしょう。

もっとも、役不足という言葉をわざわざ使うようなシーンは私の経験上あまり(というか、ほぼ)ありませんが。

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