「今のは不可抗力だよ」と言う方が多いですが、正しい意味で使えていますか?

不可抗力とは不注意や偶然による事故?

寒い日が続いています。

この日の放課後、穂乃果さんと日奈子さんはホットコーヒーを飲みながら雑談していました。

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「今日も寒かったね。」

「うん。この時季だから仕方ないけど。」

「この時季と言えばさあ、もうすぐバレンタインデーだよね。」

「そうだけど、誰かいるの?」

「いや、特には。呈皇高校の藤堂君はたくさんもらえるのかなって思っただけ。」

「どうだろうね。彼女がいるかどうかで違ってくると思うよ。」

「そっか。まあ、他校のことだから分からないけど。」

「あれ?」

「どうかしたの?」

「ごめん、急用を思い出した。もう行かないと。」

「そうなの?じゃあ私も帰るか。」

「悪いけど、先に行くね………あ!」

慌てて帰ろうとした日奈子さんは、机の上にあったコーヒーを倒してしまいました。

「あつっ!」

「ごめん、穂乃果。大丈夫?」

「大丈夫だよ、ぬるいから。条件反射でそう言っちゃったの。」

「でも、服にも少しかかっちゃったし。本当にごめんね。」

「いいって。今のは不可抗力だから仕方がないよ。」

「そ、そう?ありがとう(不可抗力ではないんだけどね。)」

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不可抗力の正しい意味は?

「不可抗力」とは「人の力ではどうしようもない、外からの力や事態。」という意味です。

一番分かり易いのが「台風」や「地震」といった「天変地異」です。

これはどうしようもありません。抗うことができる人がいたとしたら、それはもう地球人ではないでしょう。

よく、「不注意が原因で(意図せずして)物を壊してしまった場合」に「今のは不可抗力です」と言う方がいらっしゃいますが、誤用です。

「不注意」ということは、注意していれば防げたわけですから「人の力ではどうしようもない」には当たりません。

「細心の注意や予防策を講じても防げないようなこと」でなければ「不可抗力」とは言えないのです。

では、「偶然起きてしまったこと」はどうでしょうか?これは「予見不可能だったかどうか」によります。

本当に予見不可能だったとしたら「不可抗力」と言えますが、そうでなければ「不注意・対策が不十分」の域を出ないのです。

例えば、男性が「引戸」を開ける時に「戸」そのものをつかもうとして、向こう側にいる若い女性の手を触ってしまったという場合。

「不可抗力です」と弁解する人が多いですが、きちんと「引手」を使っていれば防げたことですよね?

こういうのは「不可抗力」とは言いません。もっとも、男性が悪いわけではないのですが…

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