「そろそろ潮時…」そんな台詞をよく聞きますが、その使い方は正しいのでしょうか?

潮時とは辞め時のこと?

涼代高等学校2年の菜美恵さんの夢は女優。芸能界入りを目指して奮闘中ですが、少し不安を感じている様子です。

ある日、校内で憧れの先輩である神谷君にばったり会いました。

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「神谷先輩!」

「? 君はたしか…」

「時枝です。中学で同じ部活だった…」

「ああ、時枝さんか。久しぶりだね、元気?」

「そこそこかな、上手く行かなくて。」

「?」

「先輩は凄いですよね。あのゴレプロに入れたんですから。」

「運が良かったんだよ。たまたまシグナルソングで1位になれたから。」

「才能ですよ。先輩以外は全員20代だったんですよね?尊敬しちゃいます。」

「才能か………才能だけならあの人の方が上に感じたなぁ。」

「え?誰ですか?」

「いや、いいんだ。才能以外にも努力と………堪(こら)えることが大事だということさ。」

「さすがは神谷先輩。深いですね。(堪えるって何のことだろう?)」

「時枝さんはどうなの?さっき、上手く行ってないって。」

「色々な芸能事務所のオーディションを受けているんですけど、落ちてばかりで。」

「落ちる人の方が圧倒的に多いんだからそれが普通だよ。気にすることじゃない。」

「本当ですか?」

「今は落ちてもいいから、色々な経験をして場数を踏むことだね。まだ若いんだから。」

「そっか。じゃあ経験を充分に積んでから本命のオーディションを受ければいいのかな?」

「うん、来年当たりが潮時じゃないかな?」

「! そ、そうですか…」

「ん?」

「ありがとうございます、先輩。私、がんばりますね…」

そう言って、菜美恵さんは去っていきました。

「………何だか悲壮な顔をしてたなぁ。俺、変な事言ったかな?」

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潮時の語源と正しい意味は?

「潮時」とは「潮の満ち引きが起こる時刻」のことです。

漁師が海に出る時、海がどのような状況になっているか見極める必要があります。

そして、船を出すのに絶好のタイミングを「潮時」と言いました。

そこから転じて、「物事を始めたり終わらせたりするのに最高の時」という意味が生まれたのです。

ところが、実際には「やめ時、引退」の意味だと思い込んでいる人が多いのです。

某家庭教師のCMで誤用していたのを見た時は、「いくら何でもそれはまずいでしょ!」と思いました。

話の流れが「引退」に向かっているのなら「そろそろ潮時だな」と言っても間違いではないでしょう。

しかし、単に「潮時だと思いました」では何のことかわかりません。

最悪の場合、誤解を生むかもしれませんので正しい意味を覚えておきましょう。

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