情けは人の為ならずという諺(ことわざ)がありますが、本当の意味やその続きをご存じでしょうか?

情けは人の為ならずの意味は?

南区役所に勤務する川口さんは1児の父。家ではとても優しいお父さんです。

しかし、職場では後輩の面倒見が良いとは言えません。

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「おや、牧島君。何をやっているんだい?」

「はい先輩、これは高齢者を対象とした現在の生活の満足度に関するアンケートで、その集計を行っているんです。」

「『どちらとも言えない』が多いね。」

「はい、どちらとも言えない自体は少ないのですが、無回答だったり、不鮮明だったりするのでそうしているんです。」

「………」

「あの、何か?」

「いや、何でもないよ。がんばってくれ。」

「はい、がんばります。」

後日、牧島さんは上司に呼び出され、怒られてしまいました。

無回答や不鮮明な場合は再度確認する必要があったのですが、牧島さんが勝手な判断をしてしまったのです。

「怒られちゃったね。」

「先輩、私が間違ったやり方をしていることに気づいていたんじゃないですか?」

「ああ、そうだよ。」

「どうして教えてくれなかったんですか?冷たいじゃないですか。」

「………」

川口さんは牧島さんのやり方に疑問を持ちながらも、面倒で何も言わなかったのでした。

そして、とっさに言い訳を思いつきました。

「それは君のためだよ。」

「?」

「情けは人の為ならずっていうだろ。もし正しいやり方を教えていれば君は怒られなかっただろうけど、成長もしない。それじゃ君のためにならないよね。」

「………情けは人の為ならず。そうですね。いい機会ですので私が教えて差し上げますよ。本当の意味を。」

「?」

川口さんの顔はみるみる赤くなっていきました。

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情けは人の為ならずの本当の意味とその続きは?

「情けは人の為ならず」は「役不足」と同じくらい誤用が多い言葉ではないでしょうか。

また、意味を知っていたとしても「ならず」が何なのか理解している人は少ないと思われます。

これは「人の為になる」ではなく、「人の為である(なり)」を否定しているのです。つまり、自分の為ですね。

この言葉には続きがあり、正確には「情けは人の為ならず 巡り巡って己が為」といいます。

前半部分のみが広く知れ渡ってしまったので誤用が生まれたのでしょう。続きを知っていれば正しい意味を理解できたと思います。

ただ、「自分の為になる」という意味である以上、心の中でそう思う程度に留めるべきでしょう。

「何で親切にしてくれるのですか?」という問いに対して「情けは人の為ならずだからさ」と答えるのはあまり格好の良いことではないと思います。

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