「お求めやすい価格」、「お心当たりの方」。どちらもよく耳にする言葉ですが、正しい言い方なのでしょうか?
お求めやすい価格?お心当たりの方?
イケメン故にすぐに彼女を作れるが、なぜかすぐに振られてしまう有原君。しかし、最近はその原因がわかりかけてきたようです。
今日は8人目の彼女となった只野さんとデートに行ってきました。デート自体は無事に終わったようですが…
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「楽しかったね。」
「うん。また行きたいね。」
「(今度はうまくいったぞ。つまり、彼女の言い間違いを指摘しなければいいんだ。簡単じゃないか!)」
「ねえ、あの店に寄っていかない?買いたいものがあるの。」
「もちろん、いいよ。」
こうして、有原君たちは大手洋服店「黒華」に入っていきました。
「どれがいいかなぁ?」
「セーターをお探しですか?」
迷う只野さんに、男性店員の八神さんが優しく声をかけてきました。
「はい、寒くなってきたので。」
「こちらは人気が高く、暖かいのでお勧めですよ。」
「良さそうですね。値段も手頃だし。」
「はい、秋セールにより非常にお求めやすい価格となっています。」
「違うなぁ。」
「!」
「?」
「それを言うなら『お求めになりやすい価格』でしょ。しっかりしてよ。」
「………」
「失礼しました。」
「これ下さい。」
「ありがとうございます。」
会計の途中、店内にアナウンスが流れました。
「迷子のお知らせです。4歳くらいのお子様がサービスカウンターでお連れ様をお待ちです。お心当たりの方は…」
「ねぇ有原君…」
「違うなぁ。」
「?」
「それを言うなら『心当たりのあるお方』だろうに。あぁ恥ずかしい。」
「………(-_-)」
「………(`A´)」
また振られてしまった有原君でした。
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正しい言い方は?
「お求めやすい価格」は当然のように使われている言葉ですが、ちょっと気持ちが悪いです。
「住みやすい」に「お」を付けて「お住みやすい」にしてみれば、おかしいことが
お分かりやすい
お分かりになりやすい
と思います。
「お」を付けるのならば「になり」とセットにするべきです。
正しくは「お求めになりやすい価格」となりますので覚えておきましょう。
「心当たり」とは「思い当たること」という意味の名詞です。
これに「お」・「の方」を付けると「お思い当たることの方」となり、意味不明です。
丁寧に言おうとして「お」を付けたのはいいとして、「ある」が言いにくくなり、抜け落ちてしまった形です。
正しくは「心当たりのある(思い当たることのある)お方」となります。
「お」は、後ろにある「方」にだけ付けた方が良いと思いますよ。
私はこれらの間違いが物凄く気になります。だから、「誰か突っ込んくれよ」といつも思っているのですが…
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