「尻をまくる」と聞いてどんなイメージが湧きますか?何となく逃げ出すことのような気がしますが…

尻をまくるとは逃げ出すこと?

WBC(世界ボクシングクラブ)スーパーフライ級チャンピオンの猫内さんは初の防衛戦で判定勝ち。初防衛を果たしました。

翌日、記者会見が開かれ、今回の勝利と次戦について記者の質問に答えました。

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「猫内さん、初防衛おめでとうございます。」

「ありがとうございます。」

「試合を振り返って、どう思われますか?」

「相手も良いボクサーだったので疲れましたね。でも、自分のスタイルは貫けたと思います。」

「よく、猫内さんの試合はつまらないと言われていますが、どう思っていますか?」

「殴り合うだけがボクシングではありません。相手のパンチをさばき、試合をコントロールして勝つ。玄人好みというやつですよ。」

「次は誰との対戦を望みますか?」

「特にはないですね。会長と相談して決めます。」

「では、1階級下のチャンピオン、ラミレスが階級を上げて猫内さんに挑戦する意向を示していることはご存知ですか?」

「え?」

「ラミレスは『猫内は弱い、俺なら早いラウンドでKOできる!今すぐやっても勝つ自信がある。』とコメントしているそうですよ。どう思われますか?」

「………(あんな化物相手に12R凌げるわけがない。避けたいけどストレートには言いづらいし…よし、ここは笑いを取りつつ逃げるか。)」

「対戦を期待するファンも多いようですが…」

「そうですね、今回は尻をまくっちゃおうかなと思います(笑)」

猫内さんがそう言うと、記者たちは騒然としました。

「?」

「それはつまり、返り討ちにしてやるという意思表示ですね?」

「え?」

「これは楽しみだ。トップニュースになりますよ!」

「え?え?」

記者たちのあまりの盛り上がりぶりに、発言を撤回することはできませんでした。

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尻をまくるの正しい意味と使い方は?

「尻をまくる」は、「お尻を見せて逃げていく様子」という意味で使われがちですが、それは誤用です。

これは芝居で着物の裾をまくって座り込む様子からきた言葉で、「威嚇するような態度に出て、居直る。それまでの穏やかな態度を変えて、急に強い態度に出る。」という意味です。

「彼は旗色が悪くなると尻をまくって逃げ出した」という使い方は明らかに矛盾していますね。

正しくは「マナー違反を注意された彼は、最初は大人しく聞いていたが、急に尻をまくって怒鳴り始めた」等と使います。

実際にはあまり使われない言葉で、そういうときは大抵「豹変した」と表現されます(それも適切ではありませんが、それについては別の機会に書きます)。

ちなみに、「逃げ出す」のは「尻尾を巻いて逃げる」ですので、逃げたい時はこちらを使いましょう。

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