呆れたり驚いたりして、次の言葉が出てこない時がありますよね。そういうのを何と言うんでしたっけ?
二の句が継げない?二の句が出ない?
BBG18では、毎日練習後にリーダー3人による簡単な反省会が行われます。この日、由希さんが聞かされたのは、チームメイトの杏那さんに対する不満でした。
控室はチームごとに分かれており、B2でただ一人残っていた遥香さんにそのことを話すと…
スポンサーリンク
「お疲れ、由希。もうみんな帰っちゃったよ。」
「今日は長かったからね。」
「何をそんなに話していたの?」
「杏那のことよ。」
「杏那の?」
「歌もダンスもバスケも上の空。みんなの士気が下がるってね。特に綾花さんが苛立ってるみたい。」
「悪い意味でライバル視してるからね。」
「それもあるけど、確かに気になるよ。」
「先月ぐらいからかな?ちょっと変だよね。」
「何が『いつもがんばってる』よ。あんなんで、どんな王子様が現れるって言うのよ。」
「王子様?」
「いや、何でもない。口で言うほどがんばってないなと思ってね。」
「オフの日はがんばってるみたいだよ。」
「オフの日?」
「うん、いつも出かけているって。」
「どこへ?何をしに?」
「わかんない。でもこの前一緒に帰った時に、妙なこと言ってたよ。」
「妙なこと?」
「『もっと運気を上げないと』とか、『オーラ出てるの見える?』とか、『お祈りの時間が足りない』とかね。」
「それ、ちょっとやばくない?」
「うん。忠告はしたんだけど、こっちがおかしいみたいに返すもんだから二の句が出なかったよ。」
「………」
「じゃあ私も帰るね。バイバイ。」
遥香さんはそう言って出ていきました。
「………継げなかったでしょ。」
「いや、そんなことはどうでもいいか。」
後日、杏那さんの様子を見ていた由希さんは目を疑いました。
杏那さんが入っていったのは「幸福オーラ神導教」という、怪し気な宗教団体だったのです。
「………あ、杏那!?」
スポンサーリンク
正しい慣用句とその意味は?
「次に言い出す言葉が出てこない。呆れて開いた口がふさがらない。」ことを「二の句が継げない」と言います。
「二の句」とは、雅楽(上古、中世に宮廷などで行われ、いま宮中・社寺に伝わっている音楽)の朗詠(漢詩・和歌などを、節を付けて歌うこと)の詩句を三段階に分けて歌う時の二段目のことです。
一段目が「低音域」、二段目が「高音域」、三段目が「中音域」で、二段目の高音域は続けて歌うと息が切れることが多く、難しいのでこのような言葉が生まれました。
「二の句」は、次に言い出す言葉のことで、「継ぐ」は「続ける」という意味ですが、雅楽を知らないとちょっとイメージがつかみにくいですね。
「二の句が出ない」でも意味は通りますが、慣用句として正しいのは「二の句が継げない」ですので、覚えておきましょう。
スポンサーリンク