巧みな言葉で相手を丸め込んでしまう人がいますよね。よほど凄い口先…いや、舌先でしたっけ?

口先三寸?舌先三寸?

深田出版の山中部長は今年から復帰しましたが、下鳥さんへの指示は相変わらず里崎課長からでした。

今回の取材先は、某宗教団体の桜井という女性教祖です。

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「下鳥さん、また取材に行ってもらえる?」

「はい、今度はどこですか?」

「幸福オーラ神導教だ。」

「は?オーラ?」

「振興の宗教団体だな。『友達が騙されている』と若い女性から電話があったらしい。」

「それは放っておけませんね。行ってきます。」

こうして、下鳥さんは幸福オーラ神導教へ向かいました。

「ふふふ、だいぶ信者が増えたわね。そろそろあの子を紹介して、次の段階へ進もうかしら。」

「ごめん下さい。」

「あら、可愛らしいお嬢さんね。入信希望者かしら?」

「違います。週間世論の下鳥です。桜井教祖ですね?お聞きしたいことがあるのですが。」

「何かしら?」

「こちらの教団の目的は何ですか?」

「運気を高めて幸せになることですよ。」

「幸せになりたいなら努力すべきじゃないんですか?」

「では、努力した人はみんな幸せになっていますか?」

「………」

「結果が出ない人は、その人自身が悪いわけじゃないんです。運が悪いだけなんです。」

「この『幸運のブレスレット』を身につければ運気が上昇し、オーラが増幅します。」

「私は、みなさんが望む幸福を実現するお手伝いをしたいんです。」

「そうやって口先三寸で信者を増やしているんでしょうけど、私には通用しませんよ!」

「今、何とおっしゃいました?口先三寸?」

「そうです!」

「何のことでしょうか?ひょっとしてお嬢さんがおっしゃいたいのは…」

「!」

下鳥さんは慌てて教団を出ていきました。

「………何だったのでしょうか?」

そして、再び深田出版へ。

「ただ今戻りました。」

「どうだった?」

「驚きの事実です!」

「………」

「口先三寸という言葉は間違いで…」

「………(舌先三寸で丸め込まれた…ってわけでもないんだろうな。)」

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相手を丸め込む言葉はどちら?

「口先だけで相手を丸め込むことやその言葉」を「舌先三寸」または「舌三寸」と言います。

この「口先だけで」という部分から、誤って「口先三寸」と言ってしまう人が非常に多いのです。

文化庁の調査によると、正しい方の「舌先三寸」を使う人が23.3パーセント、誤りである「口先三寸」を使う人が56.7パーセントです。

「寸」は長さの単位(約3cm)で、「三寸」は短さを表しています。つまり、薄っぺらいということです。

「口」が短いとは言わないので「舌」が正解なのですが、「舌先」なのが引っかかります。「舌三寸」ならわかりますが。

舌先三寸は「舌三寸」と「口先」との混同から生まれた言葉………と考えられなくもないかな?

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