何の活躍もしない人に対して「鳴かず飛ばず」という人がいますが、本来の意味をご存じでしょうか?

鳴かず飛ばずとは全く活躍しないこと?

広島県にある高校野球の強豪「西條高校」。夏の決勝では文京大三高に敗れましたが、明治神宮野球大会では優勝しました。

1年生の清田君はプロ注目のスラッガーですが性格に難があり、エースの工藤君はいつも手を焼いています。

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「遅いぞ清田!練習はとっくに始まってるぞ!」

「はいはい、たかだか30分遅れたくらいで騒がなくてもいいでしょうに。」

「真剣に取り組まないと、試合に出してもらえないぞ。」

「あれ?そんなこと言っちゃって良いんですか?プロ注目の俺に。」

「………」

「それとも神宮の決勝戦を忘れちゃったんですか?誰かさんがリードを守れなくて、俺の一振りのお陰で勝てたんじゃなかったかな?」

「感謝してるよ(リードってたったの1点だぞ?それに、お前がファウルフライをちゃんと捕球できていれば防げた失点だ。)」

「監督に聞きましたよ、工藤さんは1年の時はずっと鳴かず飛ばずだったって。」

「まあな。」

「期待されておいてそれじゃあね。俺なんか1年の夏から活躍してるのに。」

「なあ清田、監督が言った『鳴かず飛ばず』ってどういう意味かわかるか?」

「はあ?そりゃ、何の活躍もできなかったってことでしょ?」

「困った奴だな…」

工藤君は清田君に優しく教えてあげました。

「………」

「充分な走り込みや投げ込みで、だいぶ速い球を投げられるようになったよ。西岡先輩にだって負けていないつもりだ。」

「………チッ!」

「ん?」

「ちいとばかし賢いからって調子に乗んなよ。ここでのスターは俺だ。」

清田君はそう言ってランニングを始めました。

「調子に乗っているのはどっちだ。色々と教えがいのある奴だな。」

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鳴かず飛ばずの本来の意味は?

「鳴かず飛ばず」は「三年飛ばず鳴かず」という中国の故事に由来する言葉です。

三年もの間何もしなかった王(荘王)を部下(伍挙)が諌める時に「三年間飛びも鳴きもしない鳥」のたとえ話をしたのです。

しかし、王は本当に何もしていなかったのではなく、良い部下と悪い部下とを見極めるために愚か者のふりをしていただけなのでした。

後に王は国政に専念し、周辺諸国を脅かすほどの国になったという話です。

このことからわかるように、本来は「将来に備えて力を蓄え、活躍する機会を待っている様子。」という意味なのです。

しかし、現在では単に「何の活躍もしていない」という意味で使われることが多いですね。

誤用が定着しつつありますが、誤用は誤用。言葉は正しく使いましょう。

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